
かつてポップアップストアは、新興ブランドやインディペンデントデザイナーがブランドを世に出す場所であった。昨今は、ファッション、食、テック、ラグジュアリー、エンタメ——あらゆる業界がポップアップを「重要なマーケティング戦略」として取り込んでいる。
東京でも、渋谷・原宿を中心に、毎週のように話題のポップアップが同時多発的に開催される状況が常態化している。この記事では、国内外のポップアップイベントの事例とそこから読み取れる最新のトレンドをお届けします。
「体験」こそが商品——没入型・多感覚イベントの台頭
最も顕著なトレンドは、商品を売る場から”体験を売る場”への転換だ。
IKEAはロンドンで「Hus of Frakta」と名付けたポップアップを展開。トレードマークの青いバッグ(フラクタ)をテーマに、遊び心あるサステナブルな体験空間を作り上げた。
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日本でも、体験型ポップアップの流れは加速している。2026年のゴールデンウィーク、同じ渋谷・原宿エリアでスポーツ×カルチャーを軸にした2つの体験型ポップアップが同時開催され、いずれも大きな話題を集めた。
新世代のクラブ「パリ・サン=ジェルマン」によるポップアップ
ひとつは、パリ・サン=ジェルマン(PSG)が渋谷のMEDIA DEPARTMENT TOKYOで展開した「ICI C’EST PARIS LA MAISON TOKYO」。ロサンゼルス、ドーハ、ロンドンに続くグローバル巡回プロジェクトの日本初上陸で、3フロアにわたりスポーツ・食・ファッション・アートが融合した没入型空間を構成。
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1階はサッカーケージやF1シミュレーターなどのプレイエリア、2階はパリのロースターによるカフェと限定コレクション販売、3階はパリの老舗ビストロと日本人シェフによるプライベートディナーを提供した。日本ブランドとのコラボコレクション販売など、サッカーファンのみならずパリのライフスタイルに興味を持つ幅広い層を取り込むポップアップとなった。
アディダスによるコンビニをコンセプトにしたポップアップ
もうひとつは、アディダス オリジナルスが原宿のTHE FLATで開催した「SAMBA MART」。FIFAワールドカップ2026の開幕を間近に控えたタイミングで、”サッカー好きの店主が経営するコンビニ”をコンセプトに据えた3日間限定のポップアップだ。
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代表的なシューズ「SAMBA」や各国代表ユニフォームを陳列した店内は、原宿のユースカルチャーとサッカーの熱気が交差する空間に。
証明写真を模したフォトフレームでの撮影体験や、アディダス製品を1点着用するだけでもらえる限定ノベルティなど、来場者を自然にコンテンツの参加者へと引き込む設計が話題をよんだ。
バカンス気分を味わえるラルフローレンのポップアップ
ファッションブランドによる没入型ポップアップも注目を集めている。ラルフローレンは2025年5月、OMOTESANDO CROSSING PARKで「Ralph Lauren The Hamptons Garden」を開催。ニューヨーカーの避暑地として知られるハンプトンズで行われたSpring2025ランウェイショーの会場を再現し、ファーマーズマーケット、フラワーショップ、ハンプトンズにインスパイアされたフード&ドリンク、料理教室などの体験イベントを通じて、東京にいながらバカンス気分を味わえる空間を作り上げた。
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さらに同年ホリデーシーズンには東京ミッドタウンで「The Ralph Lauren Holiday Experience」を約1か月にわたり展開。ブランドの世界観をまるごと体験させる「没入型ポップアップ」を年に複数回、東京で繰り返すラルフローレンのアプローチは、ポップアップをブランドストーリーテリングの主要な手段として位置づける好例だ。
ポップアップは「実験場」から「主戦場」へ

かつては新規市場のテストや在庫処理の手段として使われることも多かったポップアップ。しかし今、その役割はブランドの世界観を体験させ、コミュニティを育て、SNSでの拡散を生み出す「マーケティングの主戦場」へと変貌を遂げた。
業界の垣根を越え、テクノロジーと融合し、体験をコンテンツとして発信する——この3つが揃ったとき、ポップアップは単なる”仮設店舗”を超えた、時代のパルスを感じる場所になる。
さいごに

弊社では、マネキン・什器のレンタルだけでなく、イベントなどのブースデザインから施工まで一貫しておこなっております。
没入感のある空間演出や立体的なオブジェの製作も可能ですので、ご興味のある方は是非お気軽にご相談ください。
お問い合わせフォームからご相談を承っております。



