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NIKEの新店舗にみるデジタルを用いた未来の顧客体験とは?

UPDATE: 2019.2.25

多くの方が、デジタルテクノロジーをどのように実店舗に取り入れるかを検討されているのではないでしょうか。そこで、この記事ではデジタルテクノロジーを用いたNIKEの最新店舗の事例とともに未来の顧客体験のポイントをご紹介したいと思います。

日本国内でのデジタルを用いた体験事例

現在、フロア案内やブランド紹介としてのデジタルサイネージの使用は一般的になっています。最近では、スマートフォンの定着とともに、GPS・Bluetooth(ブルートゥース)・QRコード・画像認証などを活用し、オンラインとオフラインの両方で満足度の高い顧客体験を実現している店舗が少しずつ増えてきました。

ユニクロでは、店舗でアプリを使用して商品タグについているバーコードをスキャンすることで簡単に商品情報の取得や在庫確認ができます。さらに、新商品情報やセール情報の入手などユーザーにとって有益なコンテンツが用意されているため、実店舗にいない時にも買物を楽しむことが出来ます。ユニクロの他にも、GU・ZARA・GAP・MUJIなども同様にアプリをリリースしています。

 

NIKE House of Innovation 000(ナイキハウスオブイノーベーション)とは?

ニューヨークの5番街に2018年11月にできたNIKE House of Innovation 000(ナイキハウスオブイノーベーション)は、68,000ft²(約6317㎡)の面積を持つ未来の小売店をコンセプトにした新旗艦店です。内装デザインやVMDにネオンやサイネージなどの様々なデジタルを取り込んだ魅力的な店舗となっています。なかでも注目は、NIKEアプリを通じて実現される最新の顧客体験です。次項から、NIKEアプリとアプリを通じて実現された顧客体験について説明します。

 

NIKEアプリとは?

2018年12月11日に日本版もリリースされたNIKEアプリでは、同社のトレーニングアプリと連動し、各ユーザーに合わせた商品を提案しています。アプリ起動後、性別やスニーカーのサイズを選択肢、興味のあるスポーツなどを選択することで、一人一人のニーズに合わせて情報を紹介し、よりパーソナライズされたオンラインでの購買体験を提供。また、NIKEと契約しているアスリートたちのエピソード・コレクションの画像・商品のストーリーなど魅力的なコンテンツを日頃から楽しむことが出来ます。これらの魅力的なコンテンツに加えて、ナイキハウスオブイノーベーションではNIKEアプリを通じて実店舗での様々な顧客体験を実現しています。店舗内でアプリを起動させると、GPSを利用して自動的に店舗用のモードに切り替わります。

 

アプリの会員限定の特別な顧客体験

ナイキアプリを通じて実際に体験した便利な機能は以下の4つになります。

 

専門家による特別な接客体験

「ナイキエキスパートスタジオ」(NIKE EXPERT STUDIO)と呼ばれるブースでは、アプリ会員を限定として専門家による接客をうけることができ、アプリ内で接客の予約を行うことが可能となっています。

 

気になる商品の情報を瞬時に確認可能

店舗内のあらゆる商品は、アプリで商品タグを読み取ることでその商品のサイズや展開カラーや在庫情報を確認することが可能です。またマネキンの下にもQRコードが設置されコーディネートに用いられた商品情報を読み取ることができます。

 

スムーズな試着体験

店内の気になる商品をアプリでスキャンし、サイズや好みの色を選択することで、試着の依頼を行うことが可能。マネキンの着ている商品も、アプリを通じて試着依頼をすることで、その商品の陳列場所を探す必要がなくなります。依頼後は商品の準備が終わるとアプリのプッシュ機能から準備完了の通知を確認し、各フロアに用意されている「ナイキアプリピックアップエリア」(NIKE APP PICK UP AREA)で商品を受け取ることでスムーズに試着することが可能となっています。試着するための在庫をスタッフが準備する間、自由に買い物をすることができます。

 

スピーディーな会計

店舗で気に入った商品はアプリを通じてスキャンし、アプリ内で購入することができます。購入後は、ナイキインスタントチェックアウト」(NIKE INSTANT CHECKOUT)にてハンガーを返却し、買い物袋に商品を入れそのまま持ち帰ることが可能です。会計後、レシート情報が記載されたメールが会員登録に用いたメールアドレス宛に送付されます。会計に待たされる必要がないので、よりストレスの少ない体験となっています。

 

未来の顧客体験

日本国内ではまだまだ会員カードの代わりとして活用されることの多いアプリですが、常にユーザーが関心を抱く特別なコンテンツを発信し続けることで顧客との継続的な関係性を築くことができます。魅力的なコンテンツを発信することで、ユーザーは小売店やブランドとのコミュニケーションを能動的に図り、特別な体験をすることが可能になります。

一方、小売店やブランドはアプリ内の行動データを分析することで、より魅力的な商品の開発やコンテンツの発信に繋げることが可能となり、コミュニケーションはより素晴らしいものになります。さらにNIKEの新店舗のような魅力的な実店舗ならではの体験を提供することは、ユーザーとの関係をより強固なものとし、他社との差別化に繋がります。今後、VRやARなどの技術を上手に取り入れることで、オンラインとオフラインの関係がよりシームレスに繋がる未来の顧客体験を生み出すのではないでしょうか。